いつもよりゆったりとお湯に浸かりたい日は
泡風呂と決めている。
肌に柔らかにまとわりつく泡を眺めていると、
なぜだか気持ちがほっとするのだ。
冬の入口のこの時期には、そんな気分の日が多くなる。

そして、やはりこの時期に必ずのぞくのがTHE BODY SHOP。
ちょうどクリスマスの限定アイテムが出そろうのだ。
お目当てはもちろんバブルバス。
今年のラインナップは定番の「クランベリー」と
「バニラスパイス」に加え、新製品の「ゴールデンアップル」だ。
店頭で香りを確かめ、「ゴールデンアップル」を購入する。
これは優しい甘さで長く使えそう。
オレンジのボトルを傾けると、たっぷりと浮かんだシマーが
ゆるやかな曲線を描いてなんともリッチな気分になる。
シマーは、お湯に溶くとキラキラと輝いて綺麗なのだが、
肌にはそれほど残らないことも気に入った。
ゴールデンアップル
知らなかったけれど、THE BODY SHOPのサイトによれば、
りんごはヨーロッパのクリスマスには欠かせない果物なのだとか。
クリスマスツリーに飾ったり、パイにたっぷりと詰めたり。
ほかにも伝統的なイブのお祝いでは、夕食後、家族の長が
りんごを横方向に半分に切って翌年の幸福を占ったのだそう。
内側に美しい星形があり、種がふっくらとしているのが良いらしい。

星形というのはりんごの蜜だ。
黄金色に輝く、甘くておいしいりんごのしるし。
そういえば田舎の実家では私がまだ幼い頃、
みかんだとかりんごだとかのひと冬かけて味わう果物といえば
箱に入れて廊下で保存していたものだ。
寒さの厳しい北国で、昔ながらの木造建築。
火の気のない廊下は天然の冷蔵庫のようだった。
食後にひとつふたつ持っておいでと言われると、
どれが蜜入りだろうと、まるでくじ引きの当たりを狙うように
わくわくしたものだ。
切りたてを前歯でしゃくしゃくっと噛み砕くと、
冷たさが歯の芯まで伝わって思わず身震いした。
蜜入りのものは甘くたっぷりとした果汁が歯の裏側から
喉につたって格別においしく、いくつでも食べられそうだった。

りんごの柔らかく甘い香りは、そんな家庭的なイメージと結びついている。
泡のなかに身を沈めると、懐かしく温かな記憶が呼び起こされるような。
…何か優しい気持ちになれるような。


少し大きめの400mlのボトル、
この冬はたっぷりとたのしめそうである。


THE BODY SHOP