たっぷりとした雨が、
夜の空にぶら下がっている。

なんてひどい空だろう…。
逃れられない重さに
身体ごと包み込まれてしまいそうになる。


雨上がりの夜の街は
底がひんやりと冷たくて、
私はいつだって逃げ出したくなる。


早く…少しでも早くと
駆け出す足先に夜が絡みついて。

それでも早くと
絡みつく夜を振りほどいて。


あぁ、
すぐにでもあなたに触れたいと思う。