離婚を経験されて、
13歳を筆頭に3人の男の子の保護者になられたまついさん。
この最新刊は、子どもたちとの生活を
毎日のごはんのことを中心に書かれたものだ。

「子どもと暮らすことは、子どもに食べさせること」
育てることの基本は食べさせることと、まついさんは言う。
しかしながら、女手ひとつで働きながら
子どもたちの食事の世話をすることは決してきれいごとじゃ乗り切れない。
あれこれと工夫を凝らして楽しんで、ときにはほどほどの手抜きもし、
ダウンしては日々成長する子どもたちの存在に助けられ…
失敗もあり、葛藤もあり、の飾らない日常生活の様子は、
まるで近所のお台所をのぞかせてもらうような感じで親しみやすい。
なるほどなるほどと頷いてみたり、それでいいのかぁってホッとしてみたり。
そしてなにより、どんな時も逃げないし諦めない、
まついさんのバイタリティに元気をいっぱいもらえる本だ。


何もかも完璧じゃなくってもいい。
子どもを食べさせることで自分も成長して、
そんな頑張っているお母さんの姿からもやっぱり子どもは学んでゆくんだなぁ…
ということをじんわり感じながら、あったかくって最後はちょっと泣いてしまった。

私には子どもがいないけれど、いつか持つことがあれば
まついさんの本をもう一度読み返してみたいと思う。
何度行き詰まってもまた、
「よし!まだまだ頑張れるぞ!」って希望を持てるような気がする。

まつい なつき
まついさんちの子どもめし